山形大学,伊藤電子工業,独ドレスデン工科大学,独ゼノリクスの共同提案が,科学技術振興機構(JST)戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)「日本−ドイツ国際産学連携共同研究」(オプティクス・フォトニクス)の新規課題として採択された(ニュースリリース)。
研究期間は2020年10月から2023年9月までの3年間を予定,参画機関は,ドレスデン工科大学,ゼノリクス,山形大学,伊藤電子工業の4機関。日本側の委託研究費は,JSTが3年間の総額で産学合わせて5400万円を上限として支援,ドイツ側はドイツ連邦教育研究省(BMBF)が支援する。
今回の提案内容は「小型全有機近赤外発光・分光センサーシステムの開発」。日本側は有機近赤外発光光源,ドイツ側は近赤外分光センサーを開発,最終的に両国の技術を組み合わせて,近赤外発光・分光センサーシステムを作り上げることを目標としている。
近赤外センサーは,人感センサーや酸素飽和度センサーなどで用いられているが,今回目指す有機エレクトロニクスを用いた小型化や,複数の波⻑で分光センシングすることができれば, 農産品の熟度などの品質管理や,よりコンパクトで薄型のヘルスケアセンサーなどへの応用が可能となる。
日本側で開発を目指す有機近赤外発光光源は,有機EL技術の新たな領域を拓くチャレンジングな研究開発課題であり,研究代表者の城戶淳二教授(山形大学有機材料システムフロンティアセンター⻑)を中心に,有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)及び伊藤電子工業の力を結集して開発を行なうとしている。