東芝ライテックは,環境に配慮した流水殺菌モジュールを発売した(ニュースリリース)。
近年,工業用水処理関連の市場は,新興国の工業化と経済成長に加え,環境規制の強化や水処理の高度化ニーズの高まりにより,殺菌された純度の高い水の需要が拡大している。
水を殺菌する効果的な手段として,水銀ランプから放射される紫外線を利用した方法があるが,従来の紫外線光源はサイズが大きいため,モジュール小型化の課題となっていた。
この新製品は,深紫外線(DUV)LEDを採用することで,大幅な省スペース化と流量100 l/minに対応した殺菌能力を両立。LEDの特性をいかしたオンデマンド運転等も可能となり,純水,養殖用水,医療用水などさまざまな用途に使用できる。
製品の特長は以下の通り。
1.殺菌性能
大腸菌,枯草菌など水中に存在する菌に対し,100 l/minの流量で処理した場合,1パスで99.9%以上の殺菌性能を実現した。クリプトスポリジウムなどの耐塩素性を持つ寄生性原虫に対しても殺菌効果が得られる。
2.小型サイズ
深紫外線LEDの採用により,光源部を直径150mm,高さ50mmの小型設計としている。光源自体の小型化に加えて,光源交換のためのメンテナンススペースを縮小することができるため,モジュール全体を小型化することが可能になり,設置場所や施設設計の自由度の確保に貢献する。また,光源のLED化により,水銀フリーを実現,加えて,塩素など薬剤に起因した配管腐食リスクを解消できる。
3.省エネ・長寿命
LEDの瞬時立ち上がり特性を利用することで,放電の安定化に一定時間を要する水銀ランプでは難しかったオンデマンド運転が可能。システムの簡素化や,ランニングコストの低減に貢献する。
寿命は35,000時間であり,水銀ランプに対し4倍以上の長寿命化を実現している。オンデマンド運転と併用することで,さらなる長寿命化が可能となり,光源の交換頻度減少によりメンテナンスコストの低減に貢献するとしている。
仕様は以下の通り。
耐水圧/0.69MPa
電力容量/単相AC200V150VA
消費電力/150W
重量/41kg
流水部外形寸法/直径170×高さ1050mm