SEMIは,5月5日(米国時間),世界の半導体前工程ファブのパワー半導体および化合物半導体デバイス向け投資が2020年後半に反発するとの予測を発表した(ニュースリリース)。
これは,最終製品の需要回復によるもので,2021年までに59%もの急成長を遂げて,この製品分野では過去最高となる69憶ドルに達するとみている。2020年後半からの需要回復は年間の下げ幅を緩和し,現在ではファブがCOVID-19からの回復の波に乗ることで,8%減まで縮小すると予測している。
パワーおよび化合物半導体デバイスは,電力を制御するために,コンピューティング,通信,エネルギー,自動車といった数々の産業で使用されている。COVID-19の感染拡大を抑制するために「外出禁止(Stay-at-Home)」が世界中で求められる中,サーバー,ラップトップPC等のオンライン通信の中核となる電子機器の需要が急増している。
「SEMIパワー及び化合物半導体ファブアウトルック2024」は,800以上のパワー及び化合物半導体関連の設備/ラインのデータを収録し,その設備投資と生産能力を2013年から2024年までの12年間にわたって網羅しており,2019年については,804の設備/ラインの合計で200mmウエハー換算月産800万枚の生産能力が確認している。
今後2024年までに生産を開始する38の新規設備/ラインが全体の生産能力を20%押し上げ,月産能力は970万枚に達するとみている。
地域別にみると,2019年から2024年の間に最も成長が著しいのは中国で,パワー半導体の生産能力は50%,また化合物半導体の生産能力は87%増加するという。
また同期間にパワー半導体のファブ生産能力が大きく増加するのは,欧州/中東と台湾,また,化合物半導体のファブ生産能力が増加するのは米国と欧州/中東だとしている。