富士通,補償技術で科学技術賞開発部門受賞

文部科学省が主催する「令和2年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において,富士通は,「大容量光送受信器のための非線形ひずみ補償技術の開発」で科学技術賞の開発部門を受賞した(ニュースリリース)。

科学技術分野の文部科学大臣表彰は,文部科学省が,科学技術に関する研究開発などの中で顕著な成果を収めた者に対し,その功績を讃えることにより,科学技術に携わる者の意欲向上と日本の科学技術の水準向上に寄与することを目的として実施される。

科学技術賞の開発部門は,実際に利活用され,日本の社会経済,国民生活の発展向上などに寄与している画期的な研究開発もしくは発明を行った者を対象としている。今回受賞した「大容量光送受信器のための非線形ひずみ補償技術の開発」の開発概要は以下の通り。

超高速光信号の光ファイバー伝送中に生じる非常に複雑な波形のひずみ(非線形ひずみ)に対して,摂動法と呼ばれる近似解析手法を適用することで波形歪みモデルの演算量を大幅に削減,実用化が困難と考えられていた非線形補償技術の実用化に世界で初めて成功し,1波長あたり100Gb/s以上の超高速光信号の伝送を実現した。

この技術により,通信キャリアなどの基幹通信網において,1本の光ファイバーで伝送可能な伝送容量と伝送距離を増大させ,ネットワークコストの低減が可能となった。

その他関連ニュース

  • ナイスステップな研究者2024,光学分野から2名選出 2024年12月18日
  • NTT,コア間の光結合で異なるモードの光信号を結合 2024年12月11日
  • 第2回オフシェル科学大賞,横国大の瀬川氏が受賞
    第2回オフシェル科学大賞,横国大の瀬川氏が受賞 2024年12月10日
  • NTT,フィールド環境で12コア455Tb/s光伝送に成功 2024年12月09日
  • Colt,富士通のトランスボードブレードを採用
    Colt,富士通のトランスボードブレードを採用 2024年11月28日
  • ソーラボとInfleqtion,QT開発加速に向け提携発表 2024年11月22日
  • NTT東西,APNを用いた通信サービスの提供開始 2024年11月19日
  • NTT,マルチコア光ファイバ技術をラインナップ化 2024年11月15日