ナノルクス,奈良先端科学技術大学院大学の研究グループは,近赤外マルチスペクトルフィルターをFull HDイメージセンサー上に形成することに成功した(ニュースリリース)。
産業技術総合研究所保有の8インチ用ステッパー等フォトリソ加工装置群を使用し,表面に積層誘電体膜が形成された8インチSiイメジャー基盤(ピクセルサイズ:3um)に,複数回の高精度フォトリソ,エッチング加工を行ない,ベイヤー配列の近赤外線多層膜フィルターアレーを形成した。
今回の開発のポイントは,独自特許の多層膜構造(=ファブリーペロー基本構造)で,微細加工と薄膜(1.1um)を実現したことで,世界で初めて実用レベル(3umサイズの画素)のマルチスペクトルセンサーの製造が可能となり,脈波,監視など多様な活用方法が開けたことにあるという。
今後,同社は,同センサーを活用したバイタルセンシング,監視カメラの実用化に取り組んでいくとしている。