米SEMIは12月10日(日本時間),2019年末の半導体製造装置市場予測を発表した(ニュースリリース)。
それによると,2019年の半導体製造装置(新品)販売額は,過去最高額である644億ドルを記録した前年から10.5%減の576億ドルとなることを予測するが,2020年に回復に転じ,2021年には再び過去最高額を更新するとみている。
主要なデバイスメーカーによるサブ10nm装置への活発な投資が特にファウンドリやロジックにおいて見込まれることから,2020年は前年比5.5%増の608億ドルに,2021年はさらに成長し,過去最高額の668億ドルとなると予測している。
ウエハープロセス処理装置や設備装置,マスク/レチクル製造装置などを含むウエハーファブ装置市場は,2019年は9%減の499億ドルを見込んでいる。また,組み立ておよびパッケージング装置市場は26.1%減の29億ドル,半導体テスト装置市場は14%減の48億ドルといずれも減少とみている。
2019年は,台湾が韓国に代わって最大の装置市場となるという。成長率では,台湾の53.3%が最も高く,これに北米の33.6%が続くと予測する。中国は2年連続で第2位の市場となり,韓国は設備投資の減少により第3位に下がるとみている。2019年は,台湾と北米以外の全地域が縮小を見込んでいる。
2020年の半導体製造装置市場の回復は,先端ロジックやファウンドリ,中国での新規プロジェクトによってけん引されると予測している。比較的規模は小さいものの,メモリーも回復をけん引する一因となるとみている。
欧州の装置販売額は,45.9%増の33億ドルに急成長するという。台湾は154億ドルで引き続き最大市場となり,中国が149億ドルで第2位,韓国が103億ドルで第3位となる見込みだという。2020年にマクロ経済が改善し,貿易の緊張が緩和すれば,さらに上向きになる可能性が高いとみている。
2021年には,調査対象のすべてのセクターが成長し,メモリー投資額の回復は本格化するとみている。中国は160億ドルを超える製造装置販売額を記録して最大市場となり,これに韓国,台湾が続くと予想している。
■ 地域別市場予測
2016年 (実績) |
2017年 (実績) |
2018年 (実績) |
2019年 (予測) |
2020年 (予測) |
2021年 (予測) |
|
中国 |
6.46 |
8.23 |
13.10 |
12.91 |
14.92 |
16.44 |
台湾 |
12.23 |
11.49 |
10.16 |
15.58 |
15.43 |
14.43 |
韓国 |
7.69 |
17.95 |
17.67 |
10.52 |
10.34 |
14.45 |
日本 |
4.63 |
6.49 |
9.42 |
6.00 |
6.60 |
7.22 |
北米 |
4.49 |
5.59 |
5.82 |
7.78 |
7.28 |
7.15 |
その他地域 |
3.55 |
3.20 |
4.03 |
2.61 |
2.99 |
3.31 |
欧州 |
2.18 |
3.67 |
4.22 |
2.23 |
3.26 |
3.79 |
合計 |
41.24 |
56.62 |
64.42 |
57.64 |
60.82 |
66.79 |
※数字を丸めているため,合計値が一致しない場合がある。 (出典:SEMI、2019年12月)