フォルモントHD,AIを用いた交通誘導ロボを公開

開発チーム 右から3人目が望月武治氏

警備関連事業を行なうフォルモントホールディングスは7月18日都内にて記者会見を行ない,人出不足が深刻化する警備業において,交通誘導を補助する「誘導ロボ1号」を公開した(ニュースリリース)。

東京オリンピックが迫り公共工事が増える中,警備会社は警備員の確保に追われており,人手不足が原因となって延期となる工事も出ているという。もともと警備の仕事は炎天下や寒中の現場で立ちっぱなしという過酷な労働条件である上に事故も多く,最近では若者に敬遠され高齢者の比率が増えるなど,構造的な問題もはらんでいる。

車いすを検出

こうした現状を改善し,他の業種で進むイノベーションを警備業界でも取り入れるべく,同HD代表取締役の望月武治氏はロボットによる警備を思い付いたという。

開発にあたっては,ハードウェアとシステムインテグレーションで業務用ロボット開発のイクシス,ディープラーニング等のソフトウェアではシステム計画研究所/ISPの協力を仰いだ。そして「愛される現場」「地域への貢献」という思いから見た目にもこだわり,デザインはロボットデザインを手掛けるオチュアに依頼した。

アラートと共に交通弱者の通行を知らせる

このロボットは通行規制がされている現場に設置され,人感センサーおよびネットワークカメラで歩行者や自転車を検出すると映像がタブレットに送られ,警備員はその映像を見ながらスチロール製の誘導バーとサイネージを操作して誘導を行なう。この際,画像認識によって交通弱者(子ども,車いす,ベビーカー,杖をついた人)を発見すると,アラートを発して注意を喚起する。

タブレットには,歩行者の画像と共に検出した歩行者の種類(歩行者,交通弱者,自転車,子ども)が表示されるので,警備員は状況に応じて手助けに行ったり,誘導バーを操作して誘導したりといった対処ができる。また,ロボット本体のマイクを使えば歩行者と警備員が直接会話をすることもできる。

子供を検出するとサイネージにキャラクターが表示される

ネットワークカメラは約130万画素のパナソニック製。低照度での撮影モードを搭載しており,検証はこれからだが,工事用照明がある環境であればおそらく問題無く動作するだろうとしている。画角は30°~40°で,5~6m先にいる歩行者の判別ができ,複数の歩行者がやって来るようなシーンでも,その中から交通弱者を検出できるという。

サイネージはシャープ製の32型で,子供を判別した時はキャラクターを表示して親しみやすさをアピールする。また待ち時間には広告を表示するアイデアもあるという。また,地面付近にはLG製の短焦点プロジェクターを搭載し,暗い時間帯はロボットの足元に注意を喚起する映像を投射する。

プロジェクターで足元に注意を喚起する

AIの学習データは現場や協力によって独自に収集したもので,カメラに写った歩行者の画像は背面のボックスに入っているエヌビディアのPCを使って処理をする。全体の重量は30~40kgで,キャスターが付いているので容易に移動もできる。

同HDでは8月に,実際の工事現場にこのロボットを持ち込んで実証実験を行ない,2020年を目途に実用化するとしている。また,実績と改良を積むことでロボットが現場で人間の代替をする能力が十分にあることを証明し,工事に必要な警備員の人員の一人として認可されるよう,働きかけも行なっていきたいとしている。

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