金沢大学は,中国およびドイツ研究者との共同研究により,黒色板状の結晶構造を持つ二硫化レニウムの二次元結晶薄膜では,ひずみを与える方向によって結晶軸方向に応じて正負逆のピエゾ抵抗効果を示すことを明らかにした(ニュースリリース)。
水晶や特定のセラミックスに圧力を加えると,圧力に比例した表面電荷が現れる現象を「圧電効果(ピエゾ電気効果)」といい,一方,半導体や金属に機械的なひずみを与えた際に電気抵抗に変化がある場合は「ピエゾ抵抗効果」と呼ばれ,この効果を示す物質は,圧力センサーやひずみセンサーに応用されている。
今回研究グループは,二硫化レニウムのデバイスを作成した上で,その異方性の特性を光学的・電気的に測定した。その結果,ひずみを与える方向によって,交差する2つの結晶軸に応じて正と負逆のピエゾ抵抗性を示すという新しい現象を発見したという。
研究グループは今回の研究により,二硫化レニウムの二次元結晶が有する半導体特性が明らかになり,ひずみセンサー,フレキシブルエレクトロニクス材料,ひずみ可変性光検知装置・発電装置などに応用されることが期待できるとしている。