ソニーは,フルカラーでの描画と消去が繰り返し行なえるフィルムと,それを高速で実現するレーザー照射技術を新たに開発した(ニュースリリース)。
今回開発したフィルムは,レーザー光を熱に変換する光熱変換剤と,シアン,マゼンダ,イエローの各色を有するロイコ染料,熱によってその発色状態を変化させることのできる材料等を独自の技術で配合,積層することで実現した。熱による発色状態の変化で描画を行なうため,階調は段階的なドット表現ではなく,細やかな濃淡で表現できる。写真画質レベルの鮮やかな色彩表現が可能という。
加えて,非接触のレーザー光を用いるため,色々な形状に対応し,デザインの自由度を高める。従来の印刷技術では困難だった透明なガラスやプラスチック越しでも描画可能で,ガラス等の素材本来がもつ高品位な表面質感を保ったまま,多様なデザインやカラーバリエーションを表現できる。
このフィルムとレーザー照射技術を用いることで,ユーザー一人ひとりの好みに合わせたデザインやカラーバリエーションを実現する。また,繰り返し描画が行なえるため,ユーザーの興味や嗜好の変化に応じて,デザインや色を後から変更することも可能。この開発品は加飾用途以外でも,フルカラーで繰り返しでの描画が求められるさまざまな応用先への展開が考えられるとしている。