NEDOら,光I/Oコアモジュールで400Gb/sを実現

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)は,標準化組織COBO(Consortium for On-Board Optics)の規格において最も小さいClass Aのオンボード光モジュール(34mm×36mm×8mm)で,400Gb/sの伝送速度を世界で初めて実現した(ニュースリリース)。

データセンターの消費電力問題を解決するため,光配線を用いた伝送技術が世界各国で開発されている。電気信号と光信号を相互に変換する光トランシーバーは,更なる高速化や省電力化のため,これまで主流であった電子回路基板の端部に実装されるタイプに代わり,電子回路基板上のLSI近傍にも実装可能なオンボード光モジュールの開発が求められているが,光トランシーバーを構成するレーザー光源,光変調器,受光器などの光学素子を高密度に集積することが技術的な課題だった。

今回,研究グループが開発したオンボード光モジュールは,PETRAが開発した世界最小5mm角のシリコンフォトニクス光トランシーバー「光I/Oコア」4つと,高密度光接続を実現するために開発した光ファイバー・コネクターとの間を,高密度ポリマー光導波路配線技術を用いて低損失で接続する構造。

このポリマー光導波路は,光を用いた情報伝送で使用される波長において高い透過性を有していることから,従来のポリマー光導波路では難しかった低損失伝送が可能となった。

また,光ファイバー・コネクターは,従来対比約2倍の高密度となる125μmピッチで32芯束ねた細径光ファイバーアレイと接続する構造となり,オンボード光モジュールとは別に,小型の光伝送素子として標準化提案を進めている。

研究グループは,今回開発した光モジュールは,低コストで安定供給可能な国際標準に準拠したものであることから,サーバー製造者に広く普及することが期待されると同時に,データセンター用サーバーなどのICT機器の処理速度向上と省エネルギー化に貢献するとしている。

COBOは,LSIの大容量化に対応するための次世代の標準として,ホストLSIの直近に光インターフェースをパッケージ集積する規格を検討している。これに対し,NEDOとPETRAは同プロジェクトで開発中の光電子集積インターポーザー技術の成果を利用して具体的な標準化案を作成し,COBOに提案していくとしている。

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