ソニーセミコンダクタソリューションズとソニーセミコンダクタマニュファクチャリングは,「Cu-Cu(カッパー・カッパー)直接接合手法を用いた積層型CMOSイメージセンサーの開発」で,大河内記念会から「第65回(平成30年度)大河内記念生産賞」を受賞した(ニュースリリース)。
同賞は,故大河内正敏博士の功績を記念して設けられ,わが国の生産工学,生産技術の研究開発,および高度生産方式の実施などに関する顕著な功績を表彰する賞。今回同社が受賞した「大河内記念生産賞」は,生産工学,高度生産方式などの研究により得られた優れた発明または考案に基づく産業上の顕著な業績をあげた事業体に贈られる。
今回,高性能化と小型化が進むスマートフォン向け積層型CMOSイメージセンサーに対して,同社独自のCu-Cu接続と呼ばれる新しい積層技術を導入し,その量産化を実現したことが評価された。
一般的に,積層型CMOSイメージセンサーの画素チップと論理回路チップとの導通には,シリコン貫通電極(TSV)が用いられている。TSVは,画素チップを貫通するため,画素領域およびその近傍に配置することができず,周辺の専用領域に形成している。
Cu-Cu接続は,画素チップと論理回路チップをそれぞれの積層面に形成したCu端子で直接接続している。これにより画素チップを貫通する必要がなく,接続の専用領域が不要となるため,イメージセンサーのさらなる小型化と生産性向上を可能にした。
同社では,この技術がもたらす端子配置の自由度向上と高密度化が,今後の積層型CMOSイメージセンサーの高機能化に貢献するとしている。