電子情報技術産業協会(JEITA)は電子情報産業の世界生産見通しを発表した(ニュースリリース)。
これによると,電子情報産業の2018年の世界生産額は前年比8%増となる2兆9,345億ドルで,過去最高の更新が見込まれている。
世界経済において貿易摩擦などの不透明要素はあるが,クラウドサービスの拡大によるソリューションサービスの需要拡大,IoT化の進展に伴う大容量データの高速処理のニーズ拡大などによって,過去最高の世界生産額を記録する見込みとなった半導体,電子部品およびソリューションサービスが全体を牽引したとする。
世界経済や半導体景気への懸念はあるものの,今後もソリューションサービスや電子部品,半導体が伸長し,プラス成長が続き,2019年は史上初めて3兆ドルを突破する見通し。
2018年の海外生産分を含む日系企業の世界生産額は前年比1%増の39兆946億円と,プラス成長が見込まれている。車の電装化率向上による半導体や電子部品搭載数の飛躍的増加,働き方改革,生産性向上に向けた法人向けのパソコンや情報端末の需要が好調に推移していることなどが要因。国内生産額は対前年0.5%増となる11兆9,640億円で,プラス成長となる。
今後も2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会などに向けたインフラ整備の進展や,半導体や電子部品の搭載数増加などによる継続的な成長が予測されていることから,2019年の日系企業の世界生産額は前年比1%増となる39兆6,495億円を見込む。パソコンの買い換え需要が期待できることから,2019年の国内生産額も前年比2%増となる12兆1,530億円とプラス成長するとしている。
この調査は2007年より継続して実施しているもの。世界の電子情報産業の生産規模をデータにより明確にするとともに,世界における日系企業の位置づけを把握することを目的として,会員各社を対象としたアンケート調査の結果を取りまとめて推計している。