新日鐵住金は,11月28日より精密加工用細粒ステンレス鋼板「FYGRAS(フィグラス)」のブランド展開を開始した(ニュースリリース)。また同日,顧客向けにFYGRAS専用ウェブサイトを公開した。
今回ブランド展開を開始する「FYGRAS」は,昨今,高性能化,小型化が求められている電子デバイス機器に使用される同社のステンレス鋼板の総称。IoT時代の到来により,モノやサービスは多様化している。マルチデバイスやウェアラブル端末,人工知能,次世代交通システム,ロボット産業等などに使用される電子デバイスは更に高性能化・小型化が求められている。
FYGRASとは,Fine Crystal Grain Stainless Steelの略語。超微細結晶化技術を主な特徴とし、高精度微細加工(エッチング加工・レーザー加工等)の実現のために開発されたステンレス鋼板製品。代表例として電子デバイスのソルダリング工程の高精度化を担うメタルマスク用途がある。
同社は,電子デバイスの高性能化・小型化実現のための解決策として,同製品のブランド展開を開始する。この製品は,新日鉄住金の材料技術と精密冷間圧延鋼板造り込み技術を駆使し,最薄80ミクロンのステンレス鋼板に,世界最小1ミクロンクラスの超微細結晶粒を実現している。
また,微細加工に要求される超微細結晶粒とその他特性(板厚精度,平坦性,低残残留応力等)を実現することで,電子デバイスのさらなる高性能化・小型化を可能にするという。製品のラインナップは,ばね材4種,焼鈍材2種の計7種類。主な用途は精密加工分野や,研磨,プレス加工分野としている。