パナソニック社員の金馬慶明(こんま よしあき)氏は,平成30年春の褒章において,「光ディスクピックアップにおけるDVD/CD互換共用レンズ方式の開発」により,紫綬褒章を受章することとなった(ニュースリリース)。
紫綬褒章は,科学技術分野における発明・発見や,学術およびスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた個人に授与される。なお,この発明は,平成19年度 全国発明表彰 経済産業大臣発明賞,平成23年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)も受賞している。
今回の受章は,DVD/CD互換共用レンズ方式の対物レンズを発案,同レンズを搭載した光ピックアップを世界で初めて開発,製品化に成功し,膨大なCDソフト資産を活かしつつ,DVDが世界規模の市場を形成して広く普及することに寄与したことによるもの。
今回,対物レンズの中心に近い内周部はDVDとCDの両方に使うとともに回折構造を用いて異なるディスク基材厚に対応し,さらに外周部はDVDのみに用いることで,異なる開口数に対応する新規な共用レンズ方式の対物レンズを発案し,この方式によるDVD/CD互換共用レンズを搭載した光ピックアップを世界で初めて開発,製品化に成功したことが評価された。
この技術開発の成果であるDVD/CD互換共用レンズ方式は,音楽・映像用やPC用といった多様なDVD製品への展開に加え,さらに大容量のブルーレイディスク装置にも利用されている。