住友電工,センシング向け中赤外レーザーCANモジュールを開発

住友電気工業は,波長7μm帯において,単一モードで80℃までの素子温度で連続発振が可能な,小型のDFB-QCL CANモジュールを開発し,サンプル出荷を開始した(ニュースリリース)。

波長4~20μmの中赤外領域にて,単一モードで連続発振が可能なDFB-QCLは,小型で高速のセンシング用光源として,大気汚染ガス,温室効果ガス,毒性ガスなどの高感度リアルタイム計測,および呼気分析や血糖値計測などの医療診断への応用が期待されている。しかし,従来のDFB-QCLは,素子自体の消費電力が大きく(>5W),レーザ駆動時に大量の熱を発生するために,高い放熱能力を持つ,大型で高価なHHLパッケージに実装する必要があった。

その結果,モジュールの小型化や低コスト化が困難で,QCLを広く普及させる上での大きな課題となっていた。また,高温環境下での連続発振が困難なことも,このレーザーの使用を制限する要因となっていた。

今回同社は,量子構造設計技術を用いて創出した独自の発光層構造を採用した,低消費電力DFB-QCLモジュールの開発に成功した。このモジュールは,CH4(メタン)やSO2(二酸化硫黄),H2S(硫化水素)などの計測用として期待される7μm帯の波長において,汎用のCANパッケージで安定的に連続発振することが可能。

連続発振が可能なQCLモジュールとしては世界最小サイズで,センシング用光源として,産業,環境,医療分野での使用が見込まれるという。温調器内蔵型(Φ15.4mm)と無温調器型(Φ5.6mm)の2種類があり,温調器内蔵型については駆動するための専用マウントも同時に供給可能。

キーワード:

関連記事

  • 古河電工など、高出力ファイバレーザー技術でPFASの分解効率99.999%以上を達成

    古河電気工業と流機エンジニアリングは、古河電工の「インフラレーザー®」と呼ぶ高出力ファイバレーザーを用いて、有機フッ素化合物PFASを分解する要素技術を開発したと発表した。PFASを吸着した活性炭にレーザー光を照射し、短…

    2026.10.08
  • 芝浦工大、検知・通信・給電・描画を1本のレーザーに統合へ

    芝浦工業大学・教授の新熊亮一氏を中心とする研究チームは、慶應義塾大学・准教授の吉岡健太郎氏らと提案した研究開発課題「四位一体レーザーによる面的能動空間の創出」が、科学技術振興機構(JST)の研究プログラム「CRONOS」…

    2026.10.07
  • 理研など、次世代2µm固体レーザー向け高効率EUV光発生法を実証

    理化学研究所(理研)や宇都宮大学などの国際共同研究グループは、次世代の先端半導体製造に期待される「2µm固体レーザー」を用いた極端紫外(EUV)光の発生において、複数のレーザーを同時照射する「マルチレーザー照射法」の有効…

    2026.08.27
  • Lumibird、Cilas株を売却しレーザー・メガジュール保守事業を取得

    仏Lumibirdは、Cilasおよび同社株主との間で、戦略的レーザー技術分野における包括的な契約を締結したと発表した(ニュースリリース)。契約には、Lumibirdが保有するCilas株式の売却、両社の長期的な産業協力…

    2026.08.06
  • DNP、輝度を最大約3倍に高めた高視認性パターンライトを発売

    大日本印刷(DNP)は、従来品と比べて輝度を最大約3倍に高めた小型照明装置「DNP高視認性パターンライト 固定設置タイプ」を開発し、2026年7月から試験販売を開始する(ニュースリリース)。明るい屋内施設や寒冷地などで、…

    2026.07.13

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア