ローム,VCSELとLEDの特長融合した赤外線光源開発

ロームは,垂直共振器型面発光レーザーVCSEL素子をレーザー光向け樹脂製光拡散材で封止した,新しい赤外線光源の技術「VCSELED」を確立した(ニュースリリース)。

自動車の安全性をさらに高める機能として,先進運転支援システム(ADAS)搭載車等には運転手の眠気・居眠りや脇見運転等を検知するドライバーモニタリングシステムが搭載されている。

日本では,国土交通省がシステムの設計や機能を定めたガイドラインを作成しているほか,EUでは2024年7月以降に欧州で販売されるすべての新車に搭載の義務化を予定しており注目が高まっている。

また自動車メーカー,サプライヤーでは,運転者以外の同乗者を検出する車室内モニタリングシステムの開発も活発化しており,検知システムをより高い精度で機能させる高性能な光源が必要であるとの認識が広まっている。

今回の技術は,自動車のドライバーモニタリングシステム(DMS)や車室内モニタリングシステム(IMS)の性能向上に貢献する光源として期待できることから,現在同社で製品化に向けた開発を進めている。

この技術は,高性能なVCSEL素子と光拡散材を組み合わせることでビーム角(照射角度)をLED同様に広げており,VCSELよりも広い範囲で高精度にセンシング可能だという。また,小型パッケージに発光素子と光拡散材を搭載しているため,アプリケーションの小型・薄型化にも貢献するとしている。

搭載するVCSEL素子は狭帯域発光波長を特長としており,LEDと比べて約1/7となる発光波長幅4nmを実現。受光側の認識性能向上が図れるほか,LEDで懸念される赤見えも解消できるとしている。同時に,波長の温度変化に関しても,LED(0.3nm/℃)の1/4以下となる0.072nm/℃を実現し,温度変化に左右されない高精度なセンシングが可能だという。

さらに,発光時の応答速度はLEDの約7.5倍速い2nsで,赤外光で距離を計測するToFアプリケーションの高性能化にも貢献するとしている。

試作サンプルを2024年4月,民生向け量産用サンプルを2024年10月,車載向け量産用サンプルを2025年中にそれぞれ販売開始する予定だという。また,同社は今後も車室内モニタリングシステムに対応するレーザー光源の技術開発を進めていくとしている。

キーワード:

関連記事

  • DNP、輝度を最大約3倍に高めた高視認性パターンライトを発売

    大日本印刷(DNP)は、従来品と比べて輝度を最大約3倍に高めた小型照明装置「DNP高視認性パターンライト 固定設置タイプ」を開発し、2026年7月から試験販売を開始する(ニュースリリース)。明るい屋内施設や寒冷地などで、…

    2026.07.13
  • 国内照明市場、LED更新需要で2030年に1兆3,280億円へ 矢野経済研究所予測

    矢野経済研究所は、国内の照明市場に関する調査結果を発表した(ニュースリリース)。2025年の国内照明総市場規模は、前年比3.8%増の1兆910億2,500万円と推計している。既設の蛍光灯などからLED照明への更新需要が、…

    2026.07.13
  • NTTとグローバルパートナーが「IOWN AI Fund」を設立、次世代AI産業の基盤形成へ

    NTT、Young Sohn氏、SK Group、中華電信、および日本政策投資銀行は、AI時代の先端技術への投資を通じてIOWNエコシステムの構築と新たな事業創出を目指す投資ファンド「IOWN AI Fund」を組成した…

    2026.06.15
  • 慶應大、プラスチック光ファイバーで212.5Gb/sの50m伝送に成功

    慶應義塾大学の研究グループは、データセンター向け短距離光通信の高速化に貢献する屈折率分布型プラスチック光ファイバー(GI POF)を開発し、次世代の1レーン212.5Gbps(ギガビット/秒)の50m伝送の実証に成功した…

    2026.05.07
  • 植物と光の関係、光合成から次世代植物工場へ

    5月4日は「みどりの日」ー自然に親しみ、その恩恵に感謝する日として、植物や環境について考える機会でもある。植物の成長を支えているものの一つが「光」である。太陽光を受けた植物は、光合成によって二酸化炭素と水から糖やデンプン…

    2026.05.04

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア