ウシオ,222nm紫外線照射装置で消毒効果を確認

ウシオ電機と,シンガポール国立大学病院(NUH)は,褥瘡患者の創傷部位に対し,ウシオ製222nmの紫外線照射装置を用いて人体に影響を与えることなく細菌を消毒することに世界で初めて成功した(ニュースリリース)。

現在,褥瘡や糖尿性下肢潰瘍等の慢性創傷患者が多い米国では,その治療費は毎年3兆円に達すると言われており,今後の長寿命化によって,さらに増加する可能性が指摘されている。

また,慢性創傷の場合,感染が発生する恐れがあるため,その防止や治療のため抗生物質や抗菌クリームが使用されているが,近年,多剤薬品耐性菌(MRSA等)など,抗生物質や抗菌クリームでは除去不可能な細菌が増大していること,さらには,抗生物質の使用により薬品耐性菌を新たにつくり出してしまうリスクが指摘されている。

これに対し同社は,エキシマランプをベースとした「狭帯域スペクトル紫外線技術」により,ヒト細胞やヒト組織を損傷せずに選択的に細菌やウイルスを死滅させる紫外線殺菌システムを搭載した装置を開発し,NUHはそれを用いて圧迫性褥瘡患者を対象とした研究的臨床を行なった。

同社の222nm照射装置はKrCl(ピーク波長222nm)エキシマランプを搭載し,危険な230nm以上の波長は特殊フィルターでカットしている。これにより,細菌を貫通し死滅させることができるが,細胞レベルではヒト細胞核まで,組織レベルでは皮膚では角質に吸収され表皮細胞まで到達することはない。

そのため,従来の紫外線ランプの殺菌作用のメリットは維持しつつ,従来の紫外線よりもヒト細胞の生物学的損傷が劇的に少ないことが判明している。

臨床の結果,222nm紫外線照射による急性疾患(紅班等)や慢性疾患など,人体への影響は一切確認されず,MRSAなど7種類の多剤耐性菌を減少できることが確認された。

同社は,医療や衛生分野での新規事業創出を経営重点課題と捉えており,さらに臨床を進め当装置の医療機器の認可取得を目指すと共に,紫外線殺菌技術を用いた手術時の感染症防止や手指殺菌など,アプリケーション開発を進めるとしている。

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