【モーターショー】パイオニア,3D LiDARの開発機を公開

パイオニアは東京モーターショーにて,開発した3D LiDARを公開した(関連記事)。同社は以前より車載用LiDARの開発を進めていることを公言しており,前回(2015年)の東京モーターショーではヘッドランプ内に収まる球状のプロトタイプ(写真右)を展示しており,開発の進捗が注目されていた。

今回公開したのはラスタースキャン方式のLiDAR。高さ20cm程度の箱型(写真左)で,会場では約7mの距離から展示品周辺をスキャンするデモを行なう。解像度など詳細なスペックは非公開としているが,10月よりティア1といった自動車部品メーカーやICT企業にサンプル提供して評価を始めている。

同社は画角の異なる4つのライプのLiDARを開発する予定。具体的には望遠(100~200m)/標準(100m前後)/準広角/広角の4つで,このうち望遠~準広角までは標準となる本体に異なる光学系を加えることで実現するとしている(写真中央)。今回展示するのはこの標準となる本体部分を開発するためのサンプルとなる。

なお,望遠~標準まではラスタースキャンにて対応できるが,180°以上の広角を実現するためには回転させた皿が倒れこむときのような動きをMEMSミラーに行なわせる「ウォンブリングスキャン方式」を予定しており,実証実験も済んでいるという。ただし,この方式は検出距離が半分程度になる。前回のモーターショーで公開した球状のLiDARはこのウォンブルスキャン方式を用いた広角・近距離を検出するタイプ。

同社のLiDARはMEMSミラーを用いているので小型化しやすいほか,レーザーディスクなどを製造してきた経験もあることから量産化にも有利な点も多い。

今回のサンプルは動作検証のための試作機ということからMEMSはHUD用のものを用いるなど「ありものを使って作った」(担当者)が,来年は専用のMEMSや部材を用いた次世代機を試作し,2020年までの製品化を目指す。また,同社はオランダの地図会社HEREと協業を進めており(関連記事),ここで実際にLiDARを使用することで実用化への知見を積むとしている。

キーワード:

関連記事

  • 小糸製作所、国産LiDARでデモ映像も展示【OPIE26】

    小糸製作所は、長距離・短距離向けの各種LiDARの開発を進めているが、OPIE26においてデモも交えて出展した。 同社は2018年より、LiDARベンチャー企業 米Cepton社と協業し、現在は短距離タイプと長距離タイプ…

    2026.04.24
  • 京都大学 特別教授 野田進教授

    フォトニック結晶レーザーが拓く「高輝度半導体レーザー」の次章

    半導体レーザーは小型、高効率という強みを持つ一方で、高出力化するとビームが乱れ「輝度」が伸びないという壁があった。フォトニック結晶レーザーはその常識を塗り替えつつある。その研究の先駆者である京都大学高等研究院・特別教授の…

    2026.04.02
  • 早大、AIデータセンターやLiDARを高度化する340倍増幅の光回路モニタを開発

    早稲田大学理工学術院の北智洋教授らの研究グループは、シリコンフォトニクス光集積回路において、従来のシリコンPIN型検出器と比較して約340倍もの検出感度を実現し、かつ光をほとんど減衰させない超小型の光回路モニタを開発した…

    2026.03.24
  • 大成建設、自動運転をインフラから支える位置推定補正の新技術を開発

    大成建設は、自動運転レベル4の社会実装の拡大を見据え、トンネル内など特徴の少ない区間で生じやすい走行方向の車両位置の誤差を、インフラ側から効果的に補正する位置推定技術「T-Localizer」を開発した(ニュースリリース…

    2025.12.22
  • 「 NTTモビリティ」設立 2028年にレベル4の自動運転サービス目指す

    NTTは、将来の自動運転社会の実現を目指す事業会社「NTTモビリティ」を12月15日付で設立し、同17日に報道関係者向けにその事業内容などについて会見を行なった。 NTTモビリティの社長に就任した山下航太氏は、交通の担い…

    2025.12.17

新着ニュース

人気記事

編集部おすすめ

  • オプトキャリア