コニカミノルタプラネタリウムは,星のきらめきにこだわった小・中型ドーム用光学式プラネタリウム「Cosmo Leap Σ(コスモリープ シグマ)」を開発,販売を開始した(ニュースリリース)。
日本は米国に次ぐプラネタリウム大国で,その数は300館を超えるが,このうち約75%が市町村によって設置されており,ほとんどのドームは直径10m前後の中規模施設。新製品は,これら中規模から小規模のプラネタリウム施設に,同社光学式プラネタリウムの最高峰「Infinium Σ 」に匹敵する星空を,省エネ,省スペースで提供する。
この製品は,最新の光学技術や微細加工技術,機械制御技術により,惑星投映機一体型では世界最小クラスの高さ2.5mで,設置面積も1メートル四方のコンパクトサイズにもかかわらず,本格的な星空解説にも対応できる各種機能を備えている。
星座絵62個,カシオペヤ座などの星座線5種,夏の大三角などの目印13種の全80種の絵柄を,世界で初めてスターボール(恒星球)内に搭載することに成功した。恒星数は約9000個。また,星雲星団や系外銀河は48天体を搭載している。さらに,変光星の変光機能については,国立天文台の前原裕之氏が監修。最新の研究成果に基づいた表現を実現した。
超高輝度LEDの採用と光学技術の組み合わせで,スクリーンに投映される星像の明るさは従来機種の約2.5倍になったにもかかわらず,消費電力は約1.4kWと約2分の1になった。全ての光源を高輝度LEDとすることで,ランプや保護ヒューズを交換する必要がなくなり,日常のメンテナンス作業は,吸気フィルターや外装の清掃のみとなった。
星空の投映では,全天360度を12分割して投映する従来の方式を,「Infinium Σ」に採用した32分割方式に刷新することで,投映する星の一つひとつの明るさの段階を細分化でき,本物の星空に近い階調性を実現した。また,一等星以上の明るい星「ブライトスター」の投映を独立したユニットで行なうことで,全天の中でキラリと輝く星として再現した。
さらに,火星,金星といった5つの惑星では,「ブライトスター」を上回る明るさを実現し,宵の空に輝く一番星(金星)も,まるで実際の夜空を見ているような感覚で解説することができるという。