パナソニックは,産業向け高出力ダイレクトダイオードレーザー(以下,DDL)の世界的サプライヤーである米テラダイオード社(以下,TDI)の全株式を取得する契約を,2017年1月2日付(米国時間)で締結したと発表した(ニュースリリース)。
近年,自動車産業などでは「軽量化」「高剛性化」「デザイン自由度向上」「生産性向上」などを背景に,高精度で高品質なレーザー加工技術への期待が大きく高まっている。
パナソニックとTDIは,このような市場動向にいち早く対応し,2013年に協業を開始した。2014年には,協業の成果として,TDIの高出力DDLを搭載した世界初のレーザー溶接ロボットシステム「LAPRISS」の販売を開始している。また,同年,パナソニックはTDIよりアジア圏主要国における溶接用DDLの独占販売権を取得し,両社は開発,製造,販売,サービスなど広範な領域で協力してきた。
そのような中,パナソニックは同社のレーザー加工事業をこれまで以上に成長させるためには,基幹技術であるTDIのDDL技術,ノウハウの獲得が不可欠との認識に至り,両社で協議を重ねた結果,パナソニックがTDIを完全子会社化することで合意したという。
両社は,今後の成長市場であるレーザー加工分野において,TDIが保有する波長合成技術を用いた高出力DDLが,要求に応える次世代レーザーになるとして,両社一体となってDDL技術のさらなる進化を図る。また,パナソニックはTDIの技術を,レーザー加工事業をファクトリーソリューション事業における新たな柱として,B2B事業の原動力にしたい考え。