東工大,マイクロプロセッサの待機時電力を大幅に削減

東京工業大学の研究グループは,マイクロプロセッサやシステムオンチップ(SoC)のコアにおける待機時電力を削減するために用いられているパワーゲーティングに不揮発記憶を導入することで,そのエネルギー削減効率を従来技術に比べて飛躍的に向上できる技術を開発した(ニュースリリース)。

同グループが提案した不揮発性パワーゲーティング(NVPG)は,電源を遮断しても記憶内容を保持できる不揮発記憶を利用して,ロジックシステムの電源遮断を頻繁に行ない高効率に待機時電力を削減する方法。マイクロプロセッサやSoC内のコアに含まれるレジスタやキャッシュなどの記憶回路を独自開発の不揮発性双安定回路で構成して,通常動作をほとんど劣化させることなく,高効率にNVPGによるエネルギーの削減ができる。

今回,同グループが提案している不揮発性SRAM(NV-SRAM)の設計法・駆動法を開発し,チップ試作を行ない,その実測結果の系統的な解析によって,NVPGがマイクロプロセッサやSoCにおけるコアの待機時電力の削減に極めて有効であることを明らかにした。

これまでにも不揮発記憶を用いたマイクロプロセッサやSoCのパワーゲーティングに関する技術開発はあったが,コア外の低階層キャッシュなどへの適応に限られていた。

今回の研究は,開発したNVPG技術がコアに含まれる高階層キャッシュに搭載することが可能で,コアレベルのパワーゲーティングによる待機時電力削減効率を飛躍的に向上できることを明らかにしたものだとしている。

その他関連ニュース

  • 日立ハイテクら,高分解能Laser-PEEMを半導体応用
    日立ハイテクら,高分解能Laser-PEEMを半導体応用 2024年11月12日
  • 富士フイルム,EUV用フォトレジスト/現像液を発売 2024年11月05日
  • ニコン,解像度1.0μmのデジタル露光装置を開発 2024年10月22日
  • キヤノン,新投影レンズ搭載の半導体露光装置を発売 2024年09月24日
  • 東大,半導体レジストの現像前超高速検査技術を開発 
    東大,半導体レジストの現像前超高速検査技術を開発  2024年09月03日
  • 産総研ら,半導体のプラズマ加工ダメージを定量評価 2024年08月29日
  • 東工大ら,線幅7.6nmの半導体が可能な共重合体開発 2024年08月27日
  • 東大ら,ポリオキソメタレートを近赤外吸収半導体に 2024年08月19日