東大ら,重力波の起源について新理論

東京大学および京都大学,立教大学からなる研究チームは,最近米国を中心としたLIGO-Virgoチームにより重力波と共に発見された連星ブラックホールが,宇宙の誕生直後に形成した原始ブラックホールであるという新理論をまとめた(ニュースリリース)。

原始ブラックホール連星自体は,90年代に盛んに議論されていたが,その存在量に対しその後別の観測から上限が課されたため,ほとんど注目されていなかった。

今回,原始ブラックホールの暗黒物質に占める割合が低いという状況の下で,連星ブラックホールの合体頻度を計算したところ,宇宙の暗黒物質の千分の1ほどを占めると仮定すると,予言される合体頻度が観測から決めた合体頻度と良く合うことが明らかになった。

今後,重力波や宇宙マイクロ波背景放射の観測データがさらに蓄積してくることで,今回提唱したシナリオが正しいことを確認できれば,初期宇宙の理解が一段と深まるとしている。

関連記事「国立天文台ら,ブラックホールの超光速運動を検出」「慶大,天の川で二番目に大きいブラックホールの兆候を発見」「LIGOら,2例目となる重力波を観測

その他関連ニュース

  • 公大,スーパーカミオカンデとT2Kデータを統合解析 2025年02月28日
  • JAXA,新方式の宇宙重力波検出器を実験的に実証
    JAXA,新方式の宇宙重力波検出器を実験的に実証 2025年02月27日
  • 東大ら,原始惑星系円盤の姿を多波長・高解像度観測 2025年02月05日
  • 浜ホト,超広視野多天体分光器にイメージセンサ提供 2025年01月15日
  • NAOJら,134億年前の生まれたて銀河の輝線を検出 2025年01月14日
  • 岡山大ら,宇宙創成の検証に偏光測定誤差を最小化 2025年01月07日
  • 千葉大,重力レンズで65億光年先の星を40以上発見 2025年01月07日
  • ispace EUROPE,月面レーザー反射鏡の輸送契約締結 2024年12月26日