光の基本的なパラメータの定義から,波長特性,光学素子,幾何光学など,光工学を操る上で欠かせない物理や知識を,基礎から丁寧に解説します。

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収差4—コマ収差—

4.3.3 コマ収差 軸上で球面収差が取れていれば良い結像が保証されるかというと,事はそれほど単純ではない。実際Abbeは顕微鏡対物レンズの設計に際し,球面収差補正だけで像が良くならないことに腐心した。光軸外で発生する収 […]

収差3—球面収差—

4.3 収差各論 収差が数式的にどのように分類されるかについては明確になった。本章では,主要と分類された幾つかの収差がどのような性質を持っているかについて個別に説明する。 4.3.1 収差の式の展開 Seidelの5収差 […]

収差2—波面収差—

4.2.6 波面収差 縦収差から横収差まで,我々は光線の数を増やしながら収差を評価してきた。Sagittalとmeridional結像の利用は今のような計算機のない時代の最大の工夫であったと言えよう。ただ,この両者で収差 […]

収差1

4. 収差 ここまで我々は結像が理想的に行われるとして話を進めてきた。しかし実際の光学系では点Aと点Bが結像関係にあると言っても,種々の誤差のためA点を出た光の総てがBを通るとは限らない。実際の光線の点Bからのずれを収差 […]

像形成の物理光学5 —パターンとの相関—

3.7 結像パターンの特性 結像理論では光学系の設定が像に与える影響をコントラストやILSといった指標をもとに分析してきた。光学系とともに重要なのが結像パターン自体の特性である。コンピュータ技術の発達で今では複雑な画像を […]

像形成の物理光学4 —パーシャリーコヒーレント結像とMTF—

3.6.3.3 パーシャリーコヒーレント結像 前章ではコヒーレント結像での点光源の特性を解析した。光源の位置,物体の空間周波数sによって光学系を通過する様子は大きく変わる。点光源の位置をずらしながら点数を増やしてインコヒ […]

像形成の物理光学3 —コヒーレント結像—

3.6 コヒーレンス結像論 光が干渉性を持つ電磁波で挙動がsin,cosのような正弦波関数を用いて記述できることは素晴らしいことである。世の中には時間や空間で単純な経過や拡がりで記述される現象と時間軸の周波数や干渉縞の空 […]

像形成の物理光学2 —Fraunhofer回折—

3.4 Fraunhofer回折 3.4.1 回折パターンの計算 R. P. Feynmanが量子電磁力学を一般向けに論じた本でミラー反射を取りあげている1)。説明ではミラーからは正反射を行う部分だけでなく,あらゆる位置 […]

像形成の物理光学1

3. 像形成の物理光学 幾何光学の章では理想的な結像がどのように行われるかについて説明した。光にはもう一つの見方として物理光学があり,光工学では両者をミックスして考えねばならない。本章では結像における物理光学の根幹をなす […]

幾何光学4—近軸光学3—

2.7 FナンバーとNA 焦点距離と入射瞳が決まると光学系を通過する光束の状態が分かり,軸上での明るさや解像性能の指標となるFナンバー(F#)が定義できる。F#はカメラの交換レンズで焦点距離に併記される重要性能である。F […]