昨年10月の米・アーカンソー大からの報告によると,グラフェンを2枚の電極の間に挟むと,グラフェン膜の(リップル構造の)熱振動に伴って電極間に電流が発生し続ける,とのことで,Vibration Energy Harvester(VEH)と名付けて特許が申請されているそうです。ウェブニュースのワイアード・日本語版にもう少し詳しい解説が出ています(https://wired.jp/2017/12/19/energy-from-graphene/)が,10μm角の膜を用いると10 mW程度の電力が得られる計算のようです。
Physics Todayの本年5月号には,2枚のグラフェンをほんの少し(約1.1°)ずらして重ねると,超伝導体になるとの報告もあります。数度以上ずれていると荷電粒子はグラフェンなどに特有の線形分散関係(エネルギーは運動量に比例)を示すのですが,2枚をぴったり合わせると通常のバルク結晶と同じくエネルギーが運動量の2乗に比例する様になり,それら二つの状態が切り替わる中間状態で,超伝導性が現れるとのことです。
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