五色の亀に連れられて─妄想浦島─


浦島太郎は,日本人ならば子供から大人まで知らぬ人はいない定番の昔話だ。幼稚園などでは,今でも発表会で幼い児童たちが浦島太郎や乙姫様,亀,そして踊る鯛やヒラメなどを無邪気に演じているようだ。しかし,誰しも大人になるにつれて,浦島太郎の物語の中に多くの疑問を見出しているのではないだろうか。

例えば,「竜宮城で3年過ごしただけなのに,どうして故郷では700年も経ってしまっているのか?」,「乙姫様はそれを知っていたのに,なぜ浦島には言わず,あえて玉手箱を渡したのか?」,「700年と言いながら,浦島が玉手箱を開けてしまっても爺さんで留まって生きていられたのは何故か?」「竜宮城で浦島太郎は乙姫様と一緒に楽しくご飯を食べただけなのだろうか」等等,疑問を数え上げればキリがない。

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