色なき風はどんな色?

著者: 納谷 昌之

秋になると,僕が住んでいる街では夕方の4時に童謡「紅葉」のメロディーが防災放送で流れるようになる。「秋の夕日に 照山もみじ」という歌詞で始まるこの歌を,日本人であれば誰もが聞いたことはあるだろう。歌の2番には「赤や黄色の いろさまざまに」という歌詞が出てくる。

僕は子供の頃から,これを「色様ざま」と勘違いしていた。まず,綺麗な色彩を褒め称えるために様をつけて「色様」と言っておきながら,それに「ざま」がつながる。ここでの「ざま」は「そのざまはなんだ」という時に使うざまである。「色様のざま」っていったん何のことなのだろうと,僕はずっと疑問に思っていた。もちろん,本当は多彩な色という意味の「色様々」なのだけれども,僕がそれに気が付いたのは大人になってからだ。

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