暗室のアクシデント

著者: 納谷 昌之
光学実験や写真の現像など,多くの光に関する作業が暗室の中で行われてきた。作業の最中にドアを開けられたり,明かりが点灯してしまったりすると,それまでの苦労が水の泡になってしまう。最悪の場合には装置が壊れてしまう。そんな事故で心が折れた経験を持つ人は結構多いと思う。

僕が就職した会社では,専門や職種にかかわらず,全ての新入社員に写真フィルムを現像するという実習が課されていた。1グループが10人程度で,全て暗室内での作業だ。実習では2台の暗視カメラが用意されていた。

だからグループの中の2名だけが作業を行い,残りのメンバーはただ作業終了を暗闇で待つだけだ。抽選で外れた僕は暗闇組だ。作業が始まり,部屋が暗くなると,僕はあっという間に眠りの闇におちていたが,突然,「バカヤロー」という指導員の声がして目が覚た。

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