トンネルの向こう

著者: 納谷 昌之
3月初旬,スーパーカブ110ccに乗って,1泊2日で伊豆半島を巡ってきた。東伊豆,南伊豆,西伊豆海岸の3月の明るい風景にお腹いっぱいになってしまった僕は,ふと,天城越えをして見ようと思い立った

川端康成の小説「伊豆の踊り子」で主人公が可憐な踊り子と出会って恋心を抱いた天城山中のトンネルである。現在では新道で難なく越えられるのだけれども,小説に出てくる九十九折の旧道とトンネルが今でも残っていて,真っ暗なトンネルを抜けられるのだという。僕は海岸線を離れて伊豆山中の下田街道に入り,ループ橋を駆け上がり,道路標識を頼りに天城越え旧道入り口を探した。

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