雷様になりたい

雷様になってみたいと思う時がある。裸ん坊に虎のパンツを履いて,頭には取ってつけたような角だ。背中に背負った太鼓をひとたび叩けば,雷鳴轟き,稲妻が走り,下界では「くわばら,くわばら!」とか「へそ隠せ」などと叫びながら人々が右往左往するのだ。

ひとしきり暴れた後に一弓の虹でもかけて見せれば,先ほどまでは雷をあんなに恐れていた人たちが,「夕立のあとは爽やかでいいね」などと,感激してくれるだろう。

雷様は日本の神の序列の中では責任がある立場ではないから,気楽なものだ。ちょっと気が向いた時にひと暴れしてやれば良いのである。いつのことだったか,上野の博物館で見た俵屋宗達の「風神雷神屏風絵」に描かれていた雷神だって,なんと楽しそうな顔をしていたことか。

   続きを読む   

この続きをお読みになりたい方は
以下のバナー下フォームからログイン・または登録をお願いします。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • 蝉が見る夏の光 納谷ラボ代表 納谷昌之(なや まさゆき) 2021年10月06日
    • 暗室のアクシデント 納谷ラボ代表 納谷昌之(なや まさゆき) 2021年09月07日
    • 鵜の目鷹の目 納谷 昌之(なや まさゆき) 2021年08月02日
    • やっぱり百聞は一見に如かず 納谷 昌之(なや まさゆき) 2021年07月07日
    • 白の効能 納谷 昌之(なや まさゆき) 2021年06月22日
    • トンネルの向こう 納谷 昌之(なや まさゆき) 2021年05月12日
    • 明らかになるということ 納谷 昌之(なや まさゆき) 2021年04月05日
    • トイレに咲いた赤い薔薇 月谷昌之介 2021年03月17日