ボックスカメラの空洞

著者: 月谷 昌之介
ポーランドの古都クラクフでは,毎週日曜日に蚤の市が開かれる。旧市街から少し歩いた場所のアーケードとそれを囲む広場に,多くのにわか店舗が出現する。古本,食器,服,家具などアンティークの他,電化製品,家のガラクタを持ってきて並べている人や,中にはどうみてもゴミ箱から漁ってきたと思われる物をうず高く積んでいる人もいたりする。

店主たちは,黙ってじっと座っていたり,タバコをふかしていたり,何かを食べていたり,客そっちのけで友人と会話していたりと様々だ。それらの店の間を多くの人たちが行き来して,真剣に品定めをしている。

そんなごった煮状態の中を歩いていたら,アンティークなカメラを並べている店を見つけた。テーブルの上には1900年代前半のスプリングカメラやボックスカメラが並べられている。

スプリングカメラというのは,レンズがボディに収納されていて,撮影時にはそれが蛇腹とともに飛び出すタイプのものだ。レンズを畳むとコンパクトになるため,持ち歩きの高級カメラとして一世を風靡した。

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