3. マイクロリボンミラー(MRM)を使ったGLV露光
Grating Light Valve(GLV)は,1996年設立のSilicon Light Machines社(SLM社)によって実用化された。SLM社はその後2000年にCypress Semiconductorの100%子会社となり,2008年に大日本スクリーン製造(現SCREENセミコンダクターソリューションズ(SCREEN SCS社)が買収し,SCREEN SCS社はGLV露光装置DW-3000を2011年に,DW-6000を2017年に開発した1〜3)。
3.1 GLVの特徴
GLVは,レーザ光の回折を利用した光変調デバイスである。GLVに使われるマイクロリボンは質量が小さく,高張力の材料であるため,微小変位に対して300 ns以下の高速スイッチングが可能である。これはDMDチルトミラーの10倍以上と言われる。SLM社のGLVは,20 nsのスイッチング時間,DMDチルトミラーの約1000倍(20 μs)の性能を持つ4〜7)。そのためGLVは高速な応答が可能である(代表値250〜500 kHz)。またアナログデバイスであるため,印加電圧に応じて明るさを連続的に変化させて階調露光が可能である。階調はドライバーのビット数によって制御できる。更に半導体プロセスにより7枚マスクで作製が可能である8)。
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