5.3 無収差光学系
光学設計では採用した光学系が持っている特性,即ち高次収差の特性に従って低次の収差を出してバランスする作業が行われる。対象となる収差は球面収差であったり,画角特性であったりするので,用途により採用される光学系の選択が異なる。高次収差の少ない光学系をうまく選択することは設計の第一歩である。とは言え,無収差光学系を実現したいというのは光学設計者の夢の一つである。
平面ミラーは収差なく2次元的に平坦な虚像を作るが,ここでは実像の形成を取り扱う。無収差結像系については幾つかの優れた解説がある1, 2)。
屈折率分布のある結像系ではMaxwellの魚の目やLuneburgレンズが知られている。半径aの球で考えると,それぞれの屈折率分布は次の通りである2)。
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