設計特論3—無収差系1—

5.3 無収差光学系

光学設計では採用した光学系が持っている特性,即ち高次収差の特性に従って低次の収差を出してバランスする作業が行われる。対象となる収差は球面収差であったり,画角特性であったりするので,用途により採用される光学系の選択が異なる。高次収差の少ない光学系をうまく選択することは設計の第一歩である。とは言え,無収差光学系を実現したいというのは光学設計者の夢の一つである。

平面ミラーは収差なく2次元的に平坦な虚像を作るが,ここでは実像の形成を取り扱う。無収差結像系については幾つかの優れた解説がある1, 2)

屈折率分布のある結像系ではMaxwellの魚の目やLuneburgレンズが知られている。半径aの球で考えると,それぞれの屈折率分布は次の通りである2)

式⑽  ⑽

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

    同じカテゴリの連載記事

    • 設計特論2—平行平板— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2024年05月07日
    • 設計特論1—画面サイズ— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2024年04月09日
    • 収差6—ディストーションと色収差— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2024年03月12日
    • 収差5—非点収差と像面湾曲— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2024年02月12日
    • 収差4—コマ収差— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2024年01月10日
    • 収差3—球面収差— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2023年12月12日
    • 収差2—波面収差— ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2023年10月26日
    • 収差1 ASリソグラフィコンサルティング 鈴木章義 2023年09月25日