光学素子2—光学ガラス—


1.3.2 光学ガラス

環境の影響がわかったので,次は具体的な光学素子を扱ってみる。

まずは透過素子であるが,光工学で使用されている主はガラスと結晶で,最近ではプラスチックも頻繁に使われるようになってきた。

図6 ガラスと結晶
図6 ガラスと結晶

ガラスは図6左のように液体を強制冷却した時に生成する。凝固点温度Tfを過ぎても結晶化せずに過冷却状態になりガラス転移点温度Tg以降そのまま固化した物である。液体からガラスになる時の特徴は連続的な転移と潜熱が発生しないことである。ガラス化する性質は光学ガラスの硅酸塩や16族元素の硫黄,セレンなどが持つ。図6右は加熱時の円柱サンプルの伸び率である。SiO2だと結晶化すれば水晶(crystalline quartz),ガラス化すれば石英(fused silica)になる。双方とも光学素子として用いられる。

議論を進めるため,新たなパラメータとして分散を示すAbbe数νを定義しておく。これは先に定義した波長d線(588 nm),F線(486 nm),C線(656 nm)またはe線(546 nm),F′線(480 nm),C′線(644 nm)の屈折率nから計算される次の値である。

式⑴ ⑴

分散が小さくF線とC線の屈折率差が小さければνは大きくなる。

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