光とは—波長特性について3/紫外領域—

著者: admin

1.2.3 紫外領域

紫外(UV)領域は可視域から外れるので主な応用は加工と計測分野になる。紫外領域はX線領域に行くまでの広い範囲をカバーするが,表4に示すように赤外とは呼び方が異なり,大きくはUV-A,UV-B,UV-Cという3つの領域に分類される。

表4 UV領域の分類
表4 UV領域の分類

UV-Aは可視域に最も近い波長域で地上に到達する紫外太陽光の90%を占める。UV-Aの領域は340 nm以上の波長をUV-A1,それ以下をUV-A2と分けることもある。UV-Aは皮膚の老化を引き起こし,UV-Bは日焼けの主要因となる。UV-AとUV-Bまでが地上に届く太陽光で,これ以下のUV-Cの波長は大気により吸収される。特にオゾンの紫外吸収スペクトルはDNA損傷スペクトルとほぼ一致し,我々を守っている。しかし大気中のオゾンをすべて集めて標準状態(0℃,1気圧)に換算すると厚みは3 mmに過ぎない。オゾンホールが問題になるのはこのような微妙なバランスの上に環境が依存しているからである。

UV-Cは我々の通常の環境下では存在しないエンジニアリングの世界となる。280 nm〜190 nmは,酸素の吸収が出てくるものの未だ環境による吸収をそれ程気にしなくて済む波長域で,深紫外(DUV:Deep UV)と呼ばれる。190 nm以下の波長は酸素や水の吸収により通常の環境下では光が透過しない。190〜100 nmは真空紫外(VUV:Vacuum UV)と呼ばれ,光学系は窒素あるいはArによるパージ化,もしくは真空下に置かれる。下限の100 nmは最も短い波長を通す結晶LiFの透過限界に相当する。

100 nm以下は極端紫外(EUV:Extreme UV)と呼ばれ,真空が必要とされる。最近,半導体製造で量産化された13.5 nmはこの領域に入る。その下,1 nm以下は本稿では扱わないがX線の領域となる。

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