虚像で遊ぶ

著者: 月谷 昌之介

通勤電車は僕の住んでいる盆地からちょっとした渓谷を抜けて,職場がある平野へと走っていく。列車の窓からは渓谷の四季の移り変わりが眺められ,毎日がプチ観光気分だ。

ひかりがたり1309_p1

或る朝,僕はそんな通勤電車の車両連結部付近の席に座っていた。その日は,たまたま眼の前に立派な体格の紳士が立ちはだかっていたため,向かいの窓を左から右に流れているはずの景色を見ることはできなかった。しかし,左横を見てみると,向かいの窓とは垂直な配置になっている連結部の窓に,僕が本来見ようとしていた景色が反射して映っている。

この続きをお読みになりたい方は
読者の方はログインしてください。読者でない方はこちらのフォームから登録を行ってください。

ログインフォーム
 ログイン状態を保持する  

    新規読者登録フォーム

     

    関連記事

    • 日本のエジソンと呼ばれた人たち

      田中久重と藤岡市助の偉大な発明と事業への展開 発明王といえばトーマス・エジソン(1847−1931)ですが,その偉大な発明王にちなんで“日本のエジソン”と呼ばれる人が何人かいます。その中でも特に有名なのが江戸~明治時代に…

      2026.02.13
    • 安定な有機光触媒を利用した光触媒反応の開発

      1. はじめに 近年の地球環境問題への関心の高まりから,有機合成化学分野においても環境に配慮したものづくりが注目されている。特に最近では,クリーンなエネルギー源である可視光を活用したフォトレドックス触媒反応が精力的に研究…

      2026.02.12
    • 米とひかり

      米のトップブランドといえば「コシヒカリ」だろう。この名前は,越国(こしのくに)の光り輝く品種になって欲しい,という願いのもとに命名された。それ以外にも,米の品種名には「きぬひかり」「ひのひかり」など,「ひかり」の付くもの…

      2026.01.16
    • 【トレンドを読む】NTTが示した「IOWN」のネクストステージ

      ※IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)=NTTが提唱する次世代の情報通信基盤構想 AI時代の電力危機を救う光技術 NTTは,最新のR&D関連の取り組みを紹介す…

      2026.01.14
    • フォトサーマルナノポアによる単一分子レベルでのラベルフリータンパク質構造ダイナミクス解析技術

      1. 背景 タンパク質の三次元構造は,生命現象の根幹を支える重要な要素である。X線回折を用いて立体構造解析が報告されて以来,核磁気共鳴分光法やクライオ電子顕微鏡,質量分析など,多様な実験技術が開発され,タンパク質の構造と…

      2026.01.13
    • 2026年・午年にちなんで

      今年の干支から~馬に関わる思わぬ話題 2026(R. 8)年を迎えました。今年の干支は午年(うまどし)で,午年の中でも60年に一度巡ってくる丙午(ひのえうま)になります。十二支(子丑寅卯辰巳午…)は中国発祥の概念で,年・…

      2026.01.10
    • 鏡という秘境

      鏡は人類にとって最も身近な光学素子と言っても過言ではない。現存する最古の金属鏡は紀元前2800年頃のものらしい。そんな長い歴史を持ちながら,鏡はいまだに謎を秘めている。「鏡に映った自分の姿は左右が反転するのに,上下は反転…

      2025.12.11
    • 超低電圧で発光する青色有機EL素子の開発

      1. はじめに 有機発光ダイード(OLED),つまり有機ELは色鮮やかな映像を映し出せることから,スマートフォンや大画面テレビなどに使われ既に市販されている。さらに近年ではVRゴーグルのプロジェクターや,PC画面,車載用…

      2025.12.10
    • 音商標について

      商標は一般的に二次元平面に描かれる文字や図形で示されますが,1997(H. 9)年に三次元の立体的な形状の「立体商標」が認められ,更に今から10年前の2015(H. 27)年4月1日に5つの分野の商標が新たに追加されまし…

      2025.12.10

    新着ニュース

    人気記事

    編集部おすすめ

     
    • オプトキャリア