NTT、NTTイノベーティブデバイス、ジャパンセミコンダクター、古河電気工業、新光電気工業の5社は、次世代AIコンピューティング基盤向け光電融合デバイスの量産技術開発を本格化すると発表した(ニュースリリース)。NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、NTTイノベーティブデバイスを代表とする4社の共同提案が採択された。光チップレットを搭載した半導体デバイスの製造技術を開発し、研究開発時点と比較して10倍以上の生産性向上を目指す。

近年、生成AIの普及に伴い、AIデータセンターや高性能計算システム(HPC)では、演算処理に加え、半導体チップ間でやり取りされるデータ量が急増している。従来の電気配線によるデータ伝送では、通信容量の拡大に伴う消費電力の増加が課題となっており、高速・大容量かつ低消費電力な光電融合技術への期待が高まっている。
光チップレットは、光半導体デバイスを含む光集積回路(PIC)と電子集積回路(EIC)を高密度に実装した光電融合デバイスである。CPUやGPUなどの演算チップ間のデータ伝送を電気信号から光信号に置き換えることで、電気配線の帯域幅や消費電力の制約を緩和する技術として注目されている。
NTTなどは2023年度から、NEDO事業のもとで半導体パッケージ間や半導体チップ間を光で接続する光チップレット実装技術の研究開発を進めてきた。今回新たに採択された事業では、これまでの成果を踏まえ、光チップレットの量産化に必要な製造・検査・実装技術の開発へと取り組みを広げる。
研究開発では、各社が持つシリコンフォトニクス、化合物光半導体、光接続、半導体パッケージングなどの技術を結集する。実工場への適用を見据えたパイロットラインを構築し、製造工程の評価・検証を進めることで、光チップレットを搭載した半導体デバイスの生産性を研究開発時点から10倍以上に高めることを目標とする。
各社の役割では、NTTイノベーティブデバイスが光チップレットの製造・検査・実装技術を開発する。ジャパンセミコンダクターは異種材料集積に適したシリコンフォトニクスの量産技術、古河電工は光チップレット向け化合物光半導体の量産技術、新光電気工業は実装技術と工程内検査を含む量産プロセスの開発を担当する。NTTはアドバイザーとして参画し、企業間連携やサプライチェーンの形成を推進する。
光電融合デバイスの本格的な普及には、個々の光デバイスの性能向上だけでなく、異なる材料やデバイスの高密度集積、製造工程の効率化、量産時の品質確保などが重要となる。今回の取り組みは、光チップレットの製造から検査、光接続、半導体パッケージ実装までを一貫して行なう生産技術の確立を目指すものである。
5社は今後、量産技術の開発と国内製造基盤の強化を進め、光電融合デバイスの早期実用化につなげる方針だ。生成AIの普及によって増大するデータセンターの消費電力削減に貢献するとともに、光半導体や半導体実装技術を含む国内サプライチェーンの競争力強化を目指す。





