日本光学会 光学博物館設立準備産学連携専門委員会は9月27日、東京都板橋区のハイライフプラザいたばしで「光学キャリアシンポジウム」を開催した。第13回板橋オプトフォーラムの一環として行われたもので、光に関わる仕事の面白さややりがいを、高校生や大学生をはじめとする若い世代に伝えることを目的として開催された。

このシンポジウムの特徴は、特定の研究テーマや産業分野に焦点を当てるのではなく、「光学を仕事にする」という視点から、多様なキャリアを一つの場に集めた点にある。
登壇したのは、理化学研究所 光量子工学研究センター 時空間エンジニアリング研究チーム 副チームディレクターの高本将男氏、OptQC 代表取締役CEOの高瀬寛氏、東京大学大学院理学系研究科 准教授の小西邦昭氏、オリンパスメディカルシステムズ Core Optical Technology / Senior Directorの南方寛之氏、元ニコンで東京大学特任教授の大木裕史氏、トプコンの戸枝純哉氏の6人。
高本氏は「究極の『1秒』を刻む光格子時計」と題し、光格子時計の原理や開発、今後の展開について講演した。高瀬氏は「光技術で起業する~世界を変える光量子コンピュータ~」をテーマに、光量子コンピュータの特徴や、光技術を基盤とした起業について紹介した。
小西氏は「メタサーフェス~光を操るナノ構造~」と題して、微細なナノ構造によって光を制御するメタサーフェスの特徴や研究について説明した。南方氏は「体の中を見て、治す~内視鏡を支える光学技術~」として、内視鏡に使われる照明、対物レンズ、撮像素子などの光学技術と、その医療応用について紹介した。
大木氏は「AI革命と光学技術」をテーマに、AIの発展と光学技術との関係について講演した。戸枝氏は「宇宙で使われる光学系を作る仕事」と題し、宇宙用途の光学系や、その開発に関わる仕事について説明した。
講演テーマは、光格子時計、光量子コンピュータ、メタサーフェス、医療用内視鏡、AI、宇宙光学と多岐にわたり、研究機関、大学、スタートアップ、医療機器メーカー、光学機器メーカーなど、異なる立場から光学に関わる仕事が紹介された。
主催する光学博物館設立準備産学連携専門委員会は2024年4月に発足した。同委員会は、光学博物館の設立に向けた活動を進めるとともに、日本における光学関連人材育成の拠点となることを目指している。
今回のシンポジウムでは、光学を取り巻く研究・産業分野と、それぞれの分野で働く人の仕事内容やキャリアが紹介された。




