
独DELOは,無毒性を考慮して設計した新しい光硬化型の医療機器向け接着剤「DELO PHOTOBOND MG4047」を発表した(ニュースリリース)。
この製品の一番の特長は,IBOA(アクリル酸イソボルニル)を使用していない点。IBOAは多くのポリマー材料に含まれる化合物で,患者が身に着ける医療用ウェアラブル機器に雨や汗といった外部の媒質が当たることで,微粒子が漏出し皮膚に付着し,炎症やアレルギー反応など有害反応を引き起こす恐れがある。IBOAが含まれていないこの接着剤は,このようなリスクを低減できるとされている。
また、DIN EN ISO 10993-5の細胞毒性試験により毒性がないことが証明されている。これは医療機器の細胞毒性を評価する生体適合性試験で,この製品はこの要件を満たすことが証明されている。また,電子機器に使用される物質の無毒性保証に用いられるEU RoHS・2015/863にも準拠しているとされている。
生体適合性に加え,0.15wt%という低吸水率であり,透水性も13(g·mm)/(m2·24h)と低くなっている。そのため水蒸気バリア性能が高く,他の溶出性物質に反応する可能性を防ぐという。
365~400nmのLEDランプによる照度1000mW/cm2の場合,接着剤の硬化までの照射時間はわずか2秒間というこの光硬化型接着剤は,医療用ウェアラブルの量産に最適化したものだとしている。