横河計測は,高信頼,高精度の光ファイバーのフィールドテストを簡単に行なえる「AQ7290 シリーズ」OTDRを発売した(ニュースリリース)。価格(税抜き)は78万6,000円~。
この製品は,同社OTDRの最上位モデルとして,光ファイバーネットワークの設置および保守においてフィールドテストの信頼性と使いやすさを向上させるために開発された。 特に,迅速かつ正確な測定が求められるフィールド技術者のニーズに応えるとする。
堅牢な設計と安定した動作により,過酷な現場条件下でも信頼性の高い測定結果が得られる。電源投入後10秒以内に測定が可能となるほか,ロータリーノブとハードウェアキーによる従来機種の操作性に加え,マルチタッチスクリーンが直感的な操作をサポートする,刷新されたGUI(グラフィカル ユーザー インターフェース) により使いやすさが向上した。
特に,簡易OTDRモードの追加により,OTDR機器に不慣れなユーザーでもボタン1つで簡単に測定が行なえる。加えてポップアップウィンドウで次の操作が表示されるため,操作を迷うこともないとする。
また,給電方式にUSB Type Cを採用したことにより,専用のACアダプターは不要となり,USB Power Deliveryに適合 しているモバイルバッテリーからの給電も可能なため,緊急時にも対応できる。
OTDR性能では,ダイナミックレンジを向上させ,従来よりも長距離の測定が可能となった 。同シリーズ全6機種において,従来機種の「AQ7280シリーズ」から最大2dBのダイナミックレンジ向上を実現した。
また,高反射リアルタイム測定にも対応し,リアルタイム測定における表示波形の品質を重視し,高精度な波形の表示を行ないながら更新する。これまでのリアルタイム測定では見ることができなかった長距離経路の遠端や,多分岐スプリッタ の測定も可能だという。
市販の無線LANアダプターとWiFiルーターを使用することで,オフィスや自宅から遠隔操作やデータ転送が可能。 新たにLTE対応USBドングルにも対応し,WiFiルーター無しでも遠隔操作ができるようになった。
同社では主なターゲットとして,通信事業者,電気通信ネットワーク工事会社,電力,ケーブルテレビ,鉄道などのネットワーク・サービス・プロバイダーを想定しており,2025年度で約1000台の販売を見込んでいる。