
ams OSRAMは2月20日,最高経営責任者(CEO)兼取締役会会長のAldo Kamper氏がオーストリア本社より来日し,事業概要と業績について記者説明会を開催した。
同社は2020年にセンサーメーカーのオランダamsが光源メーカーの独OSRAMを買収して誕生した。世界各地に16の製造拠点を持ち,従業員約2万名を擁する世界的な光デバイスメーカーの1つ。そのシェアは,光センサーと車載用ランプで1位,LEDで2位となっている。
売上分野の70%をLED・レーザー,IC,センサー類といった半導体事業が占め,残りの30%は自動車・特殊ランプとなっている。地域別構成ではアジア太平洋地域(APAC)が50%,ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)が29%,南北アメリカ大陸(Americas)が21%を占める。アプリケーションとしては自動車が約5割,残りを産業・医療とコンシューマー向け製品が分け合う形となっている。
同社の2024年度の売上は約34億ユーロ(約5,400億円)で,これは2023年の約36億ユーロ(約5,670億円)から微減となっている。この数字についてKamper氏は「事業環境は厳しいものがあったが,非常に重要な分水嶺となる年でもあった」と表現した。
これは同氏が2年前にCEOに就任し,財務体質を見直した成果が結実しつつあるとするもので,ポートフォリオの見直しによりマイクロLEDなど不採算事業からの撤退を行なう一方,成長分野には積極的な投資を行ない,コストと利益の最適化を図った上での数字だとする。

これにより,半導体事業では自動車向けと産業・医療向けが不振だったにもかかわらず,コンシューマー向け,特にスマートフォンのセンサーが大きな成長を遂げ,半導体全体では7%の増益となった。同氏はこれが同社が強い体質となるきっかけだとし,特に半導体事業は2027年までのサイクルを通じて6%~10%の成長を見込んでいる。

一方で懸念点も残る。同社は2020年の買収・統合以降,事業の再編に伴う整理などが続き,ここ数年は売上の減少傾向が顕著だった(2021年: 約50億ユーロ,2022年: 約44億ユーロ)。また,売上の比重の半分を占める自動車産業は,半導体不足やEVシフト,政策による需要減といった不安定な要素が大きい。
今回コンシューマー向け半導体事業の売上に貢献したスマートフォン市場も,中国の景気失速や市場の飽和など,決して安心材料とは言い難い。同社は引き続き,より広範でバランスの取れたポートフォリオの構築が重要となるだろう。
ams OSRAMグループのams-OSRAMジャパン株式会社およびオスラム株式会社の代表取締役社長兼日本地域統括バイスプレジデントの針田靖久氏も会見において,ウェアラブルデバイスなど新しい市場を積極的に開拓し,自動車産業以外の売上の構築を目指すとしている。

光源メーカーとして多くの製品を供給する同社の経営動向は,光産業にも大きな影響を与えるものであり,その安定化に向けた施策が注目される。