ニコンはと三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は,望遠レンズと広角レンズを一体化し,遠方と周辺を確認できる車載カメラシステムを共創した(ニュースリリース)。
自動車業界における先進運転支援システム(ADAS)や自動運転技術は日々進化している。また,ドライバーが標識や歩行者等を視認できないことで発生する重大事故を防止するため,視認性を向上させる手段へのニーズが高まっている。
両社は,未来のトラックやバスに新たな価値を創出することを目指し,2020年から共創活動を行なってきたという。今回,その成果として,望遠レンズと広角レンズを一体化し,遠方と周辺を確認することが可能となるカメラを活用したシステムを確立した。
具体的には,望遠レンズと広角レンズの一体化を実現し,遠方と周辺を同時に撮影することを可能にした。遠方と周辺の光軸が同一のために視差が生じないことから,車載カメラであればAIが車両周辺の情報を画像認識する際に,遠方で認識した標識や他車をトラッキングしても,対象を見失ったり二重に認識したりする問題を減らすことができるという。
また,車載カメラとして活用する場合,望遠レンズと広角レンズを一体化したカメラシステムを効果的に車体に配置することにより,車両に設置するカメラ台数を抑えながら全周囲360度を途切れなく見ることができ,従来の課題であったシステムコストや故障率などの低減が期待できるとしている。
ニコンは,この技術をCES2025に出展する。また今後は車載のみならず,多様な領域に展開すべく,あらゆる可能性を探索していくとしている。