光技術総合展示会「interOpto-光とレーザーの科学技術フェア」で,ソーラボジャパン【レーザー科学技術フェア No. D-09】は,従来のラマン分光法よりも大幅に低い入射パワーで極低濃度の試料の測定が可能な,表面増強ラマン分光(SERS)用基板を紹介している。
この製品により,非破壊かつ高感度に,化学混合物の分析,違法物質や危険物質の同定,品質検査(医薬品や食品など),生産現場における化学プロセスのモニタなど,多様なセンシングが可能になる。
UV溶融石英(UVFS)基板をナノテクスチャー加工した表面に金を蒸着したプラズモニック構造により,バイオセンシングの用途でppbレベル(~10億分の1)を実現。785 nmのラマン励起光に対して高い吸収率(60%以上)を示し,ラマン散乱を増強する大きく局所的な電場増強(~104)をもたらす。
コーティング無しのスライドガラスや金の薄膜コーティングのスライドガラスに比べ,低濃度物質の同定においてクリアなラマンスペクトルを提供するとしている。この基板は4.5×4.5×0.5mmの単体と,5個入りのセットを容易。モジュール式ラマン分光用キットおよび可搬型ラマン分光器にも対応する。