日本結晶成長学会は,豊田合成の柴田直樹氏をはじめとする4名,日亜化学工業の向井孝志氏をはじめとする4名に対して,「窒化物半導体発光素子の技術開発と量産化」を称えて,平成24年度「技術賞」を授与することを決定したと発表した(ニュースリリース)。
窒化物半導体発光素子は,当時名古屋大学の赤﨑勇教授による先駆的研究と日亜化学の中村修二氏の業績が世界的に広く知られている。
その後,豊田合成と日亜化学工業の研究グループにより,当初の数十倍に及ぶ高効率発光素子が市場に投入されており,これによって一般照明をはじめ様々な分野で電球と蛍光灯がLEDで置き換えられてきた。
これらの基礎となったのは結晶成長であり,日本結晶成長学会は同学会からの授賞が最もふさわしいとして,今回,両社による技術開発と量産化に寄与した技術者に,技術賞を授与することにした。
両社は,1996年より6年にも及ぶLED訴訟を繰り広げてきたが,2002年9月17日に正式に和解している。同学会は,両社の同時受賞は歴史的に意義深い出来事であり,今後この分野において日本企業が世界をリードし続けることを期待するとしている。
なお,授賞式は11月9日に九州大学筑紫キャンパスで開催予定の,第42回日本結晶成長学会・学会賞授与式において行なわれる予定。