ソニーは,公益社団法人発明協会主催の令和6年度全国発明表彰において,半導体積層プロセスにおけるCu-Cu(カッパーカッパー)接続技術の発明により「内閣総理大臣賞」を受賞したと発表した(ニュースリリース)。
全国発明表彰は,大正8年,日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まり,以来,日本を代表する幾多の研究者・科学者の功績を顕彰している。全国発明表彰は,皇室からの御下賜金を拝受し,多大の功績をあげた発明・創作,あるいは,その優秀性から今後大きな功績をあげることが期待される発明を表彰する。
今回,内閣総理大臣賞をソニーセミコンダクタソリューションズ 第2研究部門の藤井宣年氏,萩本賢哉氏,青柳健一氏,香川恵永氏が受賞した。また,発明実施功績賞をソニーグループ 代表執行役 社長 COO兼CFOの十時裕樹氏が受賞した。さらに,発明賞をソニーグループ クリエイティブプラットフォーム クリエイティブセンターの兼田尚枝氏と元ソニー クリエイティブセンターの曽我部卓氏が受賞した。
今回表彰の対象となった発明は,積層型CMOSイメージセンサーの画素チップと論理回路チップをそれぞれの積層面に形成したCu(銅)端子で直接接続する技術。これにより画素チップを貫通する接続部を設ける必要がなくなり,接続の専用領域が不要となるため,イメージセンサーのさらなる小型化と生産性向上が可能となる。加えて,この技術による端子配置の自由度向上と高密度化は,積層型CMOSイメージセンサーの高機能化に貢献するとしている。
また発明賞を受賞した,ワイヤレスステレオヘッドセット「LinkBuds」は,耳をふさがない新開発のリング型ドライバーにより,周囲の音を自然に聞きながら,高音質な音楽を楽しめる意匠(デザイン)になっているという。