ジャパンディスプレイ(JDI)は4月16日,同社が世界で初めて量産技術の開発に成功し,2024年12月の量産開始に向け最終調整を進めている,マスクレス蒸着とフォトリソを組み合わせた方式で画素を形成する有機ELディスプレー(OLED)「eLEAP」のの事業進捗について発表した(ニュースリリース)。
同社は量産開始に向け,基幹工場である茂原工場(千葉県茂原市)に第6世代量産ラインの設備投資を行ない,2023年10月から試作を開始した。歩留りは社内計画を大幅に超えるペースで向上しており,現在,量産開始まで8か月という段階で既に60%を超えているという。
この早期の高歩留は,立ち上げが期待以上の速さで進んでいることを示すとともに,同社がこの製品の量産化の壁を乗り越えたことを意味するとしている。今後,ウェアラブルデバイス,スマートフォン,ノート PC,車載製品等,様々なアプリケーション用にこの製品を開発・生産し,提供していく。
中でも,中型サイズへの要望に応えて開発を進める14インチ型ノートPC用製品は,シングル構造で従来の同サイズの有機EL製品の約3倍となる1600nitsの超高輝度を実現し,屋外でも快適に使用可能な性能を達成したとする。
従来,同レベルの輝度を達成するには,複雑化な生産プロセスと高い生産コストを要するタンデム構造が用いられていたが,14型製品は,コストを抑えたシングル構造で超高輝度を達成し,高いコストパフォーマンスを実証した。更に,この製品でタンデム構造を採用した場合,3000nits以上を実現できるとしている。