古河電気工業は,光デジタルコヒーレント通信に用いられるレーザー光源製品である超小型狭線幅波長可変光源について,19dBm(約80mW)の高出力化を達成した(ニュースリリース)。
近年,生成人工知能(AI)および機械学習(ML)の登場によりデータセンタなどでの通信トラフィックが全世界で爆発的に増加しており,今後もさらに伸びていくことが予測されている。
このような状況に対応するため,光デジタルコヒーレント方式による800G超高速伝送システムの導入が進められているが,特に次世代通信規格である800ZRでは,光源となる波長可変レーザーの高出力化などが期待されている。
今回,同社が20年以上培ってきた結晶成長や精密光半導体加工といったレーザー製造技術を活かした導波路設計の最適化により,超小型狭線幅波長可変光源の高出力化を達成した。
従来では18dBm(約63mW)の光出力だったが,レーザーチップの高効率化や駆動条件の最適化により,従来比27%増となる19dBm(約80mW)の光出力が可能となった。また,高出力化と同時にデジタルコヒーレント通信で重要な狭線幅特性となる150kHzを実現している。
同社では,今回の高出力化・狭線幅化によって800ZRの早期普及を推進するとともに,従来規格である400ZR製品への応用により高性能化を目指すとしている。