三井化学のグループ会社である米SDC Technologies, Inc.(SDC)の子会社独COTEC GmbHと,独CADIS Engineering GmbHは,車載ディスプレーパネル向け撥水性コーティング用のデジタルプリンターを共同開発したと発表した(ニュースリリース)。
COTECの超撥水コーティング材はメガネレンズなどに用いられており,高い撥水性と共にコーティング面の指紋,皮脂,汚れなどを簡単に拭きとることができる清潔性と鮮明な視界維持に貢献している。
この製品は,COTECが持つその超撥水コーティング技術とCADISのデジタルプリント機器の専門的な知見を組み合わせることで,現在,真空蒸着装置等を用いたバッチ生産が主流な車載ディスプレー向けの撥水コーティングを,常圧環境での連続生産を可能とする。
スピーディーなコーティングを可能とし,既存の生産ラインへの組込みが容易で,インクジェット技術により,大型あるいは複雑形状ディスプレーへの高精度なコーティングが可能だという。
また,常圧環境下での印刷により,エネルギー消費量の削減,また,コーティング範囲を無駄なく高精度に制御する技術により,材料消費量の削減,洗浄や研磨工程の省略などコスト削減のみならず,環境に配慮した工程を実現しているとしている。