2035年,車載電装システム市場は95兆8,888億円

富士キメラ総研は,自動運転技術の高度化に伴うシステム構成変化や各センシングデバイスの高性能化,コネクテッドカーの普及や5G通信へのシフト,また,ソフトウェアによる自動車の機能を更新するSDV化の進展に伴うECU統合などのトレンドを踏まえて,拡大が続く車載電装システムの世界市場を調査し,その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2024 上巻」にまとめた(ニュースリリース)。

この調査では,車載電装システムやシステムに搭載されるデバイスの市場の現状を把握し,将来を予想するとともに,システム構成の変化や機能の統合・連携に向けた動き,技術開発の方向性などに対する自動車メーカーや部品・材料メーカーの取り組みを捉えた。

それによると,車載電装システムの世界市場は,xEVの普及,自動運転技術やデジタルコックピット化の進展により,順調な市場拡大と予想する。

xEV系は,中国や欧州を中心にEV販売が急増していることから大きく伸びている。今後も各自動車メーカーが,EVをはじめHVやPHVを含めたxEVの発売を強化することから,市場拡大をけん引するとみられるという。

走行安全系は,ADASなどの搭載が急速に進んでいる。今後も自動車生産台数の伸びに伴うシステム需要の増加,また,高単価な自動運転システムの搭載が増えることなどから,堅調な伸びと予想する。

情報系は,安全性や車内の快適性向上を目的として,IVI/HMIシステムや車外通信システム,電子インナーミラーなどを中心に搭載が増えている。今後は,電子サイドミラーや車内モニタリングシステムなどの搭載も増加するとみられるという。

パワートレイン系は,当面は自動車生産台数の伸びに伴い需要が増加するが,EVの普及により2027年頃をピークに縮小すると予想する。しかし,各自動車メーカーはパワートレインを搭載するHVやPHVも含めた展開を想定しているため,急激な縮小は回避されるとしている。

ボディ系は,自動車生産台数の増加とシステムの高機能化による単価上昇により伸長と予想する。オートエアコンやヘッドランプの堅調な伸びや,デジタルキーの需要増加が期待されるという。

車載電装デバイス・コンポーネンツの世界市場は,xEV系システムやADAS・自動運転システムの搭載増加により市場は堅調に拡大している。

xEV関連デバイスは,二次電池の大容量化・高出力化が進むPHVとEVの販売増により,大きく伸びている。今後もEVやPHVの販売増とともに,インバーターモジュールやOBC(オンボードチャージャー)の高機能化,二次電池の大容量化が一層進展するため,大幅な伸長と予想する。

センサーモジュール/アクチュエーターモジュールは,ADAS関連で採用されるセンシングカメラやフロント検知/周知検知レーダー,LiDARなどが大きく伸びている。

センシングカメラは,AEB(衝突被害軽減ブレーキ)の搭載義務化により伸びており,また,対象物を識別できるため,今後は自動運転技術のベースとなるセンサーとして搭載が進むとみられる。

フロント検知/周知検知レーダーはサブセンサーの位置付けで搭載が進むと予想する。LIDARは,中国の一部高級車への搭載増加や,複数個を搭載する車種が登場したことなどから,大幅に伸びている。

リアルタイムの高解像度マッピングと物体検出が可能なため,自動運転化の進展とともに需要が増えるとみられる。当面は高級乗用車やMaaS車両を中心に搭載が進み,2030年以降は自動運転技術の普及により一層の需要増加と予想する。

入出力系デバイスは,車内の快適性向上や車載システムの電動化を受けて,各デバイスが堅調に伸びているという。 

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