エンジニアリングシミュレーションソフトウェアの米Ansysと仏DXOMARKは,物理的測定とシミュレーションのギャップを埋めるエンドツーエンドのカメラソリューションを提供するために,新しいパートナーシップを結ぶと発表した(ニュースリリース)。
光学システムは,自動運転車センサーや高度な医療機器などのアプリケーション等,業界全体で使用されている。重要なアプリケーションの数が増え続けるにつれ,さらに信頼性の高い検証が必要になる。
最も正確な仮想カメラシステムを設計するには,テストに使用するモデルを正しく定義するために大量の実世界データが必要。このような情報を取得するのは困難であり,検証プロセスがはるかに長くなり,コストが非効率になる。
DXOMARKの画質解析ツールAnalyzerは,Ansysの光学製品ポートフォリオを強化し,カメラシステムの予測精度の検証を可能にするという。
堅牢なワークフローにより,設計を最適化し,開発プロセスの早い段階で貴重なインサイトを提供し,航空宇宙,自動車,ヘルスケア,コンシューマエレクトロニクスなどの業界の製品の市場投入までの時間を短縮できるとする。
両社の技術を組み合わせることで,仮想カメラシステムの検証のための信頼性の高いソリューションが可能になる。ユーザーはまずAnsys Zemax OpticStudioでシミュレーションを実行して最適なレンズ設計を開発し,Ansys LumericalではCMOSセンサーなどの複雑なマイクロコンポーネントをシミュレーションする。
これらの結果はAnsys Speosに統合され,カメラの仮想モデルが構築される。Speos Sensors System Exporterを使用してモデルの生画像を作成し,Analyzerに転送して特性評価を行なうという。
DXOMARKのソフトウェアを使用すると,ノイズ,フレア,ダイナミックレンジ,歪みなど,仮想モデルのさまざまな機能をAnalyzerの物理測定基準と比較して評価できる。このプロセスにより,シミュレーション結果を実際のデータと比較し,極めて高い予測精度で設計を検証できるとしている。