宇宙航空研究開発機構(JAXA),会津大学,立命館大学は,小型月着陸実証機(SLIM)に搭載したマルチバンド分光カメラ(MBC)は計画当初予定していた10バンド分光観測を順調に終えることができ,対象は当初期待していたより多く観測できたと発表した(ニュースリリース)。
このMBCにはオートフォーカス機能があるので,フォーカスをあわせることで距離を測定することができる。
距離がわかると岩石の大きさも計算することができる。電力回復後に近赤外線で詳細観測した「あきたいぬ」(観測対象の岩石に付けた名前)までの距離は18m,横幅は63cmであることがわかった。
MBCはSLIM電力回復後,333枚のフルスキャン画像を波長を変えて2回,岩石やレゴリスの高解像度10バンド観測を13カ所の観測対象に対して実施した。
研究グループは,得られたたくさんのデータをもとに,月の起源の謎にせまる岩石の判別と鉱物の化学組成の推定の解析を進めるとしている。